終身雇用制度の崩壊、ソフトランディングは可能か?
終身雇用制度の崩壊は、一瞬にして崩れ落ちるのではなく、段階的な進行により時間をかけてフェードアウトしていく。各方面に大きな衝撃を与えることなく、そうしたソフトランディングを実現したい。それは確かに理想的な形ではあるが、問題はそれが実現可能かである。
いかなる変革もソフトランディングによる実現が望ましい。ソフトランディングのシナリオを描き出すには、まず終着駅の風景(ビジョン)を規定しなければならない。つまり「非終身雇用時代」の企業像や従業員像、そして労使間の相互関係を明確な形にすることだ。そのビジョンに合わせて、現在の立ち位置を確認したうえで、できるだけ最善のロードマップを作成する。このようなプロセスを踏むべきではないだろうか。
行き詰まったところで、手当たり次第リストラ作業を繰り返すだけでは、リストラのためのリストラになり、士気低下や人材流出を招き、最終的に頓挫して元も子もない。最悪の場合、企業が傾いてきたら、それこそハードランディングになりかねない。
では、「非終身雇用時代」、そして新日本型組織の再生へのロードマップはどのようなものか?
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