Washington Files

2019年7月29日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 同様に、ワシントン・ポスト紙も、イラン情勢に関する最近の解説記事の中で「トランプ・ホワイトハウスがイラン相手に“rope-a-dope”戦法を演じている」と指摘、当面は、イラン側が挑発を続けるとしても、米側としては過剰な軍事的反応を控える考えだと述べている。

 しかし、もしそうだとしても、問題はいつまで米側がこうした態度を取り続けられるのか保証のかぎりではない。

イラン側の焦りも募る

 イラン側の焦りも募る一方だ。なぜなら、アメリカが核合意離脱後に再開した対イラン経済制裁によって、国家収入の重要財源である石油輸出が激減、国民生活への影響も深刻化しつつあるからだ。このため局面打開には、西側諸国に対し何らかの挑発行為を

 エスカレートさせることによって、アメリカとの関係にくさびを打ち込み、結果的に 経済制裁の解除または緩和を引き出すか、あるいは最終的にアメリカを核合意再交渉の場に引きずり戻すか、残された道は限られている。

 これに対しトランプ政権としては、いったん離脱した核合意への復帰はまず考えられず、かといって、“消耗戦”の大団円として大規模軍事作戦に踏み切るにはあまりにもリスクが大きすぎる。選択肢の限られた次なる一手をめぐり、大統領の苦悩はますます深まるばかりだ。
  
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