アスリートたちも猛反発
実際にアスリートたちも各メディアで報じられた張本発言に猛反発しており、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手が「シェンロンが一つ願いこと叶えてあげるって言ってきたら迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う」とツイートすれば、サッカー日本代表のガラタサライ・DF長友佑都も「記事が真実だとしたら非常に残念。苦境に立たせて大怪我をしたらマイナスでしかない。野球で生きていく選手なら尚更。監督は批判覚悟で選手の将来を守った英断。何度も言うが日程を選手ファーストで考えてほしい」とつぶやいた。
放送しているTBSの関係者は、こうした世間の反応を真摯に受け止める必要がある。張本氏の問題発言を各メディアがこぞって取り上げ、今回のようにネット上では高確率で大炎上を招いていることで「注目を浴びている」とプラスにとらえるのは危険だ。
張本氏の批判が炎上する時は素人目に見ても現代スポーツについて勉強不足であるケースがほとんどで、失礼を承知で言うが「居酒屋トーク」とほとんど同じようなレベルの言葉にしか聞こえないことも多々見受けられる。
番組が放送後、すでに今夏の甲子園行きをつかみ取っている某高校野球部の部長に匿名で率直な感想を聞いた。すると、こんな答えが返ってきた。
「番組は見ていないのですが、ネットのニュースで詳しく見ましたよ。はっきり申し上げますが、張本さんは自分の意見に酔い過ぎですし、絶対に番組であのような発言をするべきではありませんでした。あの内容をサラッと放送してしまう局の側にも問題がないとは言えないですよ。
これで大きく傷つくのは佐々木君であり、大船渡の野球部員たちです。こんな渦中にある中で、なぜ前途洋々のはずの高校生の彼らの動揺をさらに誘うような言葉を口にするのか理解に苦しみます。国保監督は大人だから百歩譲って受け流せるかもしれませんが…。
それにしても番組では昔の根性野球ばかりを押し付け、ほとんど納得のいく言葉が出て来ませんでした。あれでは国保監督もあまりに不憫です。高野連(高校野球連盟)、他の高校野球部の関係者の複数の人たちとも張本さんの発言について話しましたが、ほとんど私と同じような意見でしたよ。
もしウチが同じような立場にあったとして私が監督であれば、確かに決勝で佐々木君を使わないという選択はできなかったと思います。それでも国保監督はあらゆる総合的な見地から、それを実行した。大船渡の地元では国保監督の決断に反発の声が未だ大きいことも承知しています。それでも正しいか正しくないかではなく、自分が批判されることも覚悟の上でやってのけたことは素直に凄いと認められるべきです」
張本氏とTBS側は今一度、足元を見つめ直したほうがいいかもしれない。
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