Washington Files

2019年8月5日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

ドイツは参加しない

 こうした中、ドイツのマース外相は先月31日、ホルムズ海峡でのタンカー航行の安全確保を目的とした米国主導の「有志連合」構想について「ドイツは参加しないだろう」との見通しを表明した。このほか、フランスも同構想には消極的態度をみせている。

 イギリスはこれまで、メイ前政権の下でアメリカとは別に欧州独自の「共同護衛構想」を提唱していた。しかし、トランプ大統領と個人的に親しい関係にあるボリス・ジョンソン新政権が誕生したことで、対米協力へと方針転換する可能性が残されている。

 いずれにしても、国連安保理常任理事国5か国のうち中国、ロシア、フランスがすでに反対または消極的立場を表明しているほか、ペルシャ湾経由の原油輸送に依存する多くの国が上記のような理由で「有志国連合」構想への参加を渋っていることから、今後その実現すらも危ぶまれる状態だ。

 しかし、かりにこのまま同構想が掛け声倒れになったとしても、それがイラン危機の収拾につながるわけでは無論ない。

 その先に米、イラン両国による新たな核問題協議の開始に向けた展望が開けるのかどうか、それともより深刻な危機を迎えるのか、まったく楽観を許さない情勢が続くことになる。

  
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