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2019年9月5日

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(Andrei Stanescu/gettyimages)

 テスラの車、と言えば「保険が高い」というのが購入者共通の悩みではないだろうか。保険リサーチ会社の調査結果によると、テスラオーナーが支払う保険は平均で年額2450ドルだという。この金額はラグジュアリーカーの中でも突出している。

 保険が高くなる理由は、まずアルミボディであること。スチールなどのボディと比べて修理費が格段に高くなる。さらに保険会社が契約する修理工場ではテスラを扱えないことが多く、いわゆるスケールメリットがないことも大きい。バッテリーやソフトウェアなどについてはテスラの保証内で修理できるものの、ボディに傷がついた場合はカバーされず、どうしても割高になってしまうのだ。

 この不満に対処するため、イーロン・マスク氏は今年4月「テスラ・インシュアランス・サービス」という別会社を立ち上げ、テスラオーナー向けの新たな保険の提供を開始する、と発表した。それがついに9月から、最初はカリフォルニア州内だけではあるが、開始されることになった。

 テスラのウェブサイトによると「テスラオーナーはテスラによる保険を購入することで従来の保険から最大で20 %、場合によっては30%安い保険料の支払いとなる」という。

 ただし対象となるのはモデルS、X、3、ロードスターのみで、現時点ではカリフォルニア州在住でカリフォルニア州で車両登録をしているオーナーのみが利用できる。

 保険料が安くなる理由として、テスラは「修理を自社で提供することにより、一般の修理工場よりも安い価格での修理を提供する。さらに「事故件数が減ればそれだけ保険も安く提供できる」という考えから、テスラが提供する自動運転プログラムであるオートパイロットを利用しているかどうかでも保険料の割引率が変化する。

 その内訳は、オートパイロットを搭載していない、完全にマニュアルでの運転となる車の場合の割引は0%。ステアリング、ブレーキなど、特定の自動運転機能を持つ場合は5%。スピード、方向などを自動的に制御する機能(現在のオートパイロットの標準)を持つ場合は10%。そこから安全性についての重要な機能をすべて車に任せている場合は15%、運転環境に応じてフルタイムの自動運転プログラムを利用する場合は25%、すべての環境下でフルタイム自動運転を利用する場合は30%の割引となる。

 現時点での自動運転レベルはこの2段階目となるが、テスラではすでにソフトウェアのアップデートとして完全自動運転機能の追加販売を行っており、これを購入し常に自動運転による移動を行う場合に最大限の割引が受けられることになる。さらに過去3年間無事故無違反の場合はグッドドライバー割引も追加される。

 テスラオーナーにとって、この保険提供は意味のあるものだ。現時点で多くの保険会社が保険料割引の条件としてドライブレコーダーの設置やGPSによる位置情報、走行距離確認などを提示しているが、そのためにドライバーはそうした機器を購入あるいはレンタルする必要がある。しかしテスラ車の場合、自動運転機能のため最初から360度のカメラ、マップによるGPS機能などがついている。オートパイロット機能を利用しているかどうかも車から直接保険会社に情報が送信されるため、ドライバー側の手間が省ける。

 また代理店を通さない、顧客に対するダイレクト販売である、オンラインで申し込みができ、テスラによると「1分で完結する」、もともとテスラオーナーに提供されるテスラアプリに保険機能が追加されるため、1つのアプリですべてをコントロールできる、などのメリットも大きい。

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