どのように財源をねん出するのか
ユニバーサルインカムを実施するにおいて、最大のネックとなるのは財源の確保だ。ストックトン市は元々自治体倒産を行った市としては全米最大と話題になったところ。それだけに疲弊した経済の中から、どのように財源をねん出するのか。大統領候補のヤング氏にしても、全国民に、となればその財源が議題となるのは必至だ。
一部には1%の国民が国の富の半分以上を保有する、というアンバランスさから、こうした超高額所得者が財源を負担し、社会の不平等さに対処すべき、という乱暴な意見もあるほどで、ユニバーサルインカムに効果が認められたとしても実現にこぎつけるのは困難だ。
今回のストックトンの報告が今後ユニバーサルインカムの実現に対しどのような効果をもたらし、どのように議論が進むのか。またストックトン市は残り10カ月の実験導入後、本当に全市民に対する支給に向けて動くのか。ユニバーサルインカムの将来はまだまだ不透明だ。
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