2022年12月4日(日)

Wedge REPORT

2019年10月28日

»著者プロフィール

アスリートは混乱

 実は先日、マラソングランドチャンピオン(MGC)の開催に尽力した日本陸連の関係者と話をする機会があった。今年の9月15日に開催されたMGCは東京五輪のマラソンコースと重複する箇所が多く、テストレースとしての意味あいもあり、東京五輪の男女マラソンの代表選考も行われたことから注視していた人も多いはずだ。しかし、この関係者はIOCが札幌変更を決定しようとしていることで酷く落ち込んでいた。

 「もちろんアスリートファーストという意味では、涼しい場所のほうがいいに決まっている。でも、ここまで『東京開催』に向かって我々も、そしてアスリートたちも準備をしていた。今までの準備は一体何だったのか。多く共通しているコースを走るMGCで選ばれた男女の代表2人が動揺していないと言ったらうそになるでしょう。酷暑によって過酷な環境になるとはいえ、東京のコースを目指して準備していたアスリートをIOCは混乱させている。

 これに何も言えない日本のトップたちも同罪だと思います。こんな差し迫った段階でちゃぶ台をひっくり返すなんて暴挙です。これではアスリートファーストでも、なんでもありません。それから、この騒動によってマラソンのイメージが何だか悪くなってしまうのではないかと多くのアスリートたちも気をもんでいます。

 変更によって税の無駄使い、チケットを買ってしまった人への補償…。ざっと考えただけでも、多くのマイナス材料がマラソン、そして競歩を巡って一般の方々の間でも議論されている。『マラソンは東京五輪で無事に開催されるのだろうか』という言葉が冗談抜きで、ここ最近は我々の間でささやかれています」

新着記事

»もっと見る