Wedge REPORT

2019年11月13日

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韓国の読者たちがこの本を支持した二つの理由

 政治家たちの評価はともかく、この本はベストセラーとなり、読者たちの支持を得た。これはこの本の内容に多くの人が「納得」したということを意味する。果たして読者たちはこの内容の何に対して、そしてなぜこんなにも惹きつけられたのか?

 まずは、これまで、何か違和感を覚えながらも解けずにいた頭の中のジグソーパズルが、次々と正しくはまって行くような「快感」を感じたからだろう。例えば、韓国人は日本統治期の朝鮮人たちが日本に強制連行され、無理やりしょっ引かれて行ったと学び、教えられてきた。

 だが、その「説」では同じ時期に多くの朝鮮人が日本に留学した事実や、多くの人々が日本へ密航して行ったという事実を説明できずにいた。あるいは、日本が米を収奪して行ったと学び、伝えられてきたが、同じ時期に出現した富農の存在、朝鮮米の流入に反対する日本の農民たちの声についても説明できなかった。これらの矛盾に明快な回答を示したのが『反日種族主義』であり、読者たちはこの本の示した回答に納得し「正答」と評価したのだ。

 そして、読者たちがこの本に夢中になった二つ目の理由は、この本の著者たちが韓国で最も危険な「タブー」に挑戦したからだ。慰安婦、独島、強制連行、強制動員、米収奪に対する「異説」を主張することは韓国で最も危険なタブーだ。『帝国の慰安婦』という本が社会的批判の的となり、著者である朴裕河(パク・ユハ)教授が終わりのない訴訟に巻き込まれた一件はまだ記憶に新しい。

 『反日種族主義』の著者たちもまた過去に社会的バッシング、ブーイングを受けた経験がある。それでも著者たちは各自の専門分野において、多くの資料、データを基に導き出した答えを堂々と発表した。これは韓国社会に深く根付いた常識に対する挑戦であり、その勇気に対し読者たちは拍手を送ったのである。

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