また催涙弾についても、「本来、催涙弾は集まった人々を散らばせるためのものですが、警察はデモ隊を攻撃するために使っています。催涙弾は対象を絞ることはできません。偶然通りかかった人にも影響を与えます。弾圧に使ったつもりが逆効果を生んだと思っています」と付け加えた。
中国の影響については、「12年に習近平がトップとなって以降、国家の安全の下に中国国内で多数の逮捕者を出してきましたが、それを香港にまで拡大してきたという印象です。香港は表現の自由がありますから『独立』について話すこと自体は自由なはずです。しかし、それを理由に選挙に立候補できなかったり、外国人特派員には労働ビザを停止したりするなど、圧力を強めるようになってきたと思います」と危機感を募らせた。
香港政府は信頼を取り戻せるか
参加者からは、イラクやシリアの紛争における調査委員会のように、外部の圧力を香港政府にかけてもらうのはどうかという声が上がった。これに対し「他国からの圧力を求めると、イラクやシリアのように10年も15年も問題が長引いてしまうときがあります。逆に香港政府は、政府としてはちゃんと問題を処理する能力がありますので、適切な対応ができれば、香港市民からの信頼を取り戻すことができるのではないかと考えています」とほぼ統治の問題に陥っている香港政府への期待を示した。
また、「林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、香港市民
加えて、「最近、47年の中国への返還について、1国2制度を維持できないかという議論がされるようになったことは良いこと」とも語り、将来の香港像について一人ひとりが考えるようになったことはポジティブな面であると強調した。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。