2024年4月26日(金)

From LA

2019年12月10日

日本と欧米でのEVの考え方の違い

 ここで浮き彫りになるのが、日本と欧米でのEVの考え方の違いだ。日本のメーカーが発表するEVはどちらかというと街乗り目的の小型車が多い。リーフ、トヨタのミライなどを見てもわかるように、EVのラグジュアリースポーツカーというのはまだ存在しない。一方で欧米のものは一部シボレーボルトのような例外はあるが、どちらかというと価格の高い、高デザイン、高スペック、高価格のものが多い。

 EVというとまだまだガソリン車に比べて割高だが、そこを逆手に取ってラグジュアリーカーとして売り出すのが欧米のやり方なのに対し、日本のメーカーはEVの継続走行距離に不安がある、という点から街乗り用の小型に特化している感がある。EVの手軽な使い方としては正しいような気もするが、テスラモデル3は継続走行距離が300キロ以上に達しており、街乗りの手軽さとデザイン性、高級感を満たしている。

 一方で日本の狭い道路を考えれば、1人または2人乗りの小型EVが今後ヒットする可能性もないことはない。

 正解はないのだが、テスラがサイバートラックを発表して話題になったように、EVもこれからはフルラインナップの時代だ。小型車からミッドサイズ、スポーツカー、SUV、ピックアップ、と様々なEVが市場に出始める。日本の技術力があればすぐに追いつけるのかもしれないが、世界的にEVに向かう潮流の中でやや出だしが遅れている、という感は否めない。今回のインフィニティディーラーの話題はまさにそれを象徴しているのではないだろうか。

  
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