「隠れバイデン」の芽
トランプ大統領の支持基盤の一角を成すキリスト教福音派に対するウクライナ疑惑の影響も見逃せません。キリスト教福音派の雑誌「クリスチャニティー・トゥデー」は19日付論説で、「米大統領が権力を乱用して政敵の評判を悪くするために外国の政治指導者に強要したのは、憲法違反だけでなく、極めて不道徳である」と批判しました。また、「(米連邦議会での弾劾)公聴会は大統領の道徳の欠如を際立たせた」と主張し、そのうえで「トランプ大統領は上院か次の選挙で罷免されるべきである」と結論づけています。
結局、ウクライナ疑惑は共和党保守本流及びキリスト教福音派に対して決してプラス要因にはならないでしょう。従って、来年の選挙で共和党保守本流とキリスト教福音派の一部が、トランプ離れを起こすことは避けられません。
仮にバイデン前副大統領が民主党候補になった場合、共和党保守本流の中に同氏を支持する「隠れバイデン」の芽が出てくる可能性があります。
筆者がヒアリングをした西部コロラド州コロラドスプリング在住の共和党保守派の白人男性は、「隠れバイデン」の1人です。実際、前回の大統領選挙においてトランプ大統領に投票した「隠れトランプ」の民主党支持者が、バイデン氏を支持する動きも出ています。この2つの現象に、特に注意を払う必要があるでしょう。
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