2022年8月8日(月)

ちょっと寄り道うまいもの

2012年5月3日

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 足が非常に速いとか。頭の部分が黒変してしまう。東京などへ届く前に、見た目で商品価値が落ちてしまう。加えて、捕獲量が少ない。出荷するだけ、まとまらない。

日本海の多彩な幸が並ぶ鳥取港海鮮市場「かろいち」。モサエビは、緑色の卵を抱く3月~5月が旬

 また、秋から初夏までが時期なのだが、秋から冬は何よりも蟹。このあたりで松葉ガニと呼ぶズワイガニ。漁場は重なるのだが、漁網は蟹に合わせたサイズのものを仕掛けるので、エビはあまりあがらない。

 そのような理由から、幻というか、地元で楽しむ味なのだという。そうそう。以前と比べて海の汚染が改善されたために、海底にいるこのエビも増え、商品としての質も良くなっているのだとか。地産地消は変わらぬが。

 ここでしか食べられないというのなら、もっと食べよう。モサエビ尽くしでも。鳥取港(賀露〔かろ〕港)の近くにある魚介の専門店「味覚のお宿 山田屋」(といっても、食事だけも可能)へ。モサエビ尽くしのコースがあると聞いたのだ。

 改めて刺身や焼いたものから、天ぷら、「これでもか」と刺身がのった丼まで。うーん。確かに美味しいことは美味しいが、さすがに少し飽きてきた。目先を変えたい。何か違うものも食べたい。

 女将にそういったら、カレイの煮付けが。肉厚の見事なカレイ。いやはや。これがまた旨い。普段食べている煮付けは何だったのかと、溜息が出るような旨さ。

 何でも都会で食べられると思うのは、傲慢以外の何ものでもない。その土地に行ってこその旨さがあると改めて実感する。そういえば、漁協の浜納さんはもっと幻のエビもあるとか言っていたような……。

■お食事処 あじろや
山陰本線岩美駅からバスで約15分
鳥取県岩美郡岩美町大谷2182
☎0857(73)1212〔山陰松島遊覧〕
営業時間/11時~14時
■味覚のお宿 山田屋
山陰本線・因美線鳥取駅から車で約15分
鳥取市賀露町北1─5─36
☎0857(28)1004
営業時間/11時~14時(昼食)

 

◆ 「ひととき」2012年5月号より


 

 

      

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