最高指導者並みの扱い
当のソレイマニ司令官の遺体は5日、バグダッドからイラン南西部アフワズに運ばれ、数十万人が参加して葬儀が行われた。現地からの報道によると、遺体は今後数日間にわたってシーア派の聖地コムやテヘランなど数カ所を回り、国家として司令官への敬意を示す。
遺体は最終的に故郷の町ケルマンに埋葬される見通しだ。テヘランでは、テヘラン大学で葬儀が行われ、ハメネイ師自身が祈りを捧げる予定になっており、最高指導者の死去に匹敵する破格の扱いだ。
こうした一連の式典には100万人規模が参加すると見られており、反米感情がさらに高まることになるだろう。イランはほんの2、3週間前まで、反政府デモが全土に広がり、ハメネイ師の写真が焼かれるなど支配層に対する国民の不満が噴出していた。
だが、ソレイマニ司令官の死亡で、そうした支配層への反発は消え、一時的にせよイラン国内は「米国に死を」という対米非難で結束しているように見える。服喪期間が終わる6日以降もイランやその周辺の緊張は解けそうにない。在サウジアラビア米大使館は5日、ミサイル攻撃などに備えるよう米市民に呼び掛けた。