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2020年1月22日

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出井康博 (いでい・やすひろ)

ジャーナリスト

1965年、岡山県に生まれる。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業。英字紙「ニッケイ・ウイークリー」記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)客員研究員を経て、フリー。著書には、『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)、『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』(講談社+α文庫)などがある。

物価上昇が続くベトナム

 IT企業で働くディムさんには、日本円で月5万円ほどの収入がある。実習生として来日する前、同じホーチミンのホテルで働いていた頃の2倍以上だ。ホーチミンやハノイといったベトナムの大都市では、急激な物価上昇が続いている。「月5万円」でも生活に余裕はないという。

 仕事の傍ら、ディムさんは大学の夜間コースで学んでいる。大学を卒業すれば、専門職として月10万円程度の仕事に就くことも夢ではない。特定技能の資格を取得しなくても、日本語能力と大卒の資格があれば、高度人材として再来日するチャンスも生まれる。

 「特定技能で日本に行っても、実習生のときと同じような仕事しかできません。そんなことはもう嫌ですから」

 かつて日本へ出稼ぎ労働者を最も多く送り出していたのが中国だった。しかし経済発展によって、中国人の出稼ぎ希望者は減少が目立つ。

 ベトナムと日本との経済格差は次第に縮まりつつある。とりわけ都市部は急速に発展し、賃金も年々上がっている。中国と同様、ベトナムから日本へ出稼ぎを望む者も今後は減っていくに違いない。

①『日本の上場企業にベトナム留学生が辞表を叩きつけた理由』

  
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