2024年4月24日(水)

Washington Files

2020年2月18日

サンダース勝利を願うトランプ

 その場合、“スーパー代議員”と呼ばれる各州の有力政治家、地名士など771人からなる別の集団、さらに2位以下の候補が抱える各州代議員たちを交え、最終的に誰を党候補にするかをめぐり様々な取引や“談合”が会場内で繰り広げられることになる。“brokered convention”と呼ばれ、大混乱を招き、党本部としては最も避けたいシナリオだ。

 さらにその場で、サンダース候補では11月本選でトランプ氏に勝てないとみて党本部主導で中道派の他の候補を最終的に選ぶことになった場合、それまでサンダース氏を支持してきた代議員および全米の有権者がそのまま党方針に従うかどうか疑わしい。サンダース氏もついに民主党を離れ、無所属候補としてトランプ氏相手に本選で戦いを挑む構図も否定できない。その結果、3者間の争いとなった場合、トランプ勝利がほぼ確実となる。

 従ってサンダースの今後の戦い次第では、民主党指導部の前に“三重苦”が立ちはだかることになる。

 逆に、再選を狙うトランプ陣営としては、今後もサンダース氏の健闘を大いに期待したいところだろう。

 そこで民主党指導部としては、サンダース氏の勢いをスーパー・チューズデーで何とか食い止めたいのだが本音だ。果たしてそれまでにマイク・ブルームバーグ氏(77)らトランプ氏に十分対抗できる他の有力候補が急浮上できるかが、大きなカギとなりそうだ(本欄2月13日付『超富豪ブルンバーグ大統領候補に勝機が来るか』参照)。

  
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