賽は投げられた
23日放送の日本テレビ系列「真相報道バンキシャ!」では新型コロナウイルスの感染拡大を受けても大会組織委員会の幹部が「強行突破だ」と言い切っていることが伝えられ、波紋を広げている。こうした理解不能なことを口にする大会組織委員会の関係者は実際に少なくない。つい先日も同じセクションに携わる人物が大真面目に次のようなワケの分からないアジテーションを唱えていた。
「君たちは東京五輪を開催中止にしたら、どれだけの経済損失が出るか分かっているのか。そんなことよりも、どうやって大会を成功させるか。それを考えることが日本のマスコミの責務のはずだ。もう、賽は投げられたから突き進むしかない。イチかバチかかもしれないが、このウイルスとの勝負に勝って、大会を成功させれば我々日本人は歴史に名を残せることになるじゃないか」
個人的に言えば、現状で東京五輪・パラリンピックの開催は極めて厳しいと思う。どうしても強行させたいなら、合理的な判断と危機管理ができる舵取り役を大会組織委員会や日本政府内に置くことは絶対条件だ。新型コロナウイルスの猛威を甘く見続けていると、東京五輪・パラリンピックの開催強行と引き換えに日本列島はパンデミックの恐怖に沈んでしまうような気がしてならない。
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