2024年12月23日(月)

From LA

2020年2月28日

29の投票日を控えて、サウスカロライナ州スパータンバーグで集会を行ったサンダース氏(AP/AFLO)

 「我々はバーニー・サンダースを止めなければならない。そのためにはライバル候補を絞り込むしかない」

 こんなコラムがワシントン・ポスト紙に掲載されたのは2月25日。ポストのような有力紙がこうした一候補に対する警戒感を露わにするのは珍しいことだ。コラムによると、現在の民主党の状況は4年前の共和党と同じ、多くの候補が生き残ることにより結果的にトランプ大統領を生み出してしまった、という。

 同様の考え方が民主党上層部にも広がっている。スーパー・チューズデーを前に行われた民主党候補による討論会では、現在トップを走るバーニーに集中砲火が浴びせられたが、その内容は「社会主義者ではトランプに勝てない」「バーニーが掲げる政策は過激すぎる」といった感情的なもので、これに対しては「上品さの欠片もないののしり合いであり、民主党全体のイメージを損なう」という批判が挙がっている。

 こうした中、民主党に対する大口献金者として知られるバーナード・シュワルツ氏がナンシー・ペロシ下院議長らに対し、「1人の候補者への支持を明らかにすることでバーニーの勢いを止める必要がある」と進言した、と報じられた。つまり、対立候補を絞り込み、民主党を挙げてその候補を支援すべき、という考え方だ。

 ではその対立候補は誰になるのか。最有力と考えられるのはマイケル・ブルームバーグ氏だろう。最初のアイオワやニューハンプシャーをスキップし、莫大な費用をかけて広告を打って大票田に焦点を絞るブルームバーグ氏は、2月28日現在フォックスニュースの世論調査でサンダース、バイデンに続く3位につけている。しかし前回の民主党討論会ではブルームバーグ氏に「金で立候補権を買った」「部下に対するセクハラ問題」などの追求の声が上がり、今のままではバイデン氏とブルームバーグ氏が票を奪い合ってバーニーが得をする、という見方もある。

 なぜバイデン氏やブティジェッジ氏では駄目なのか。まずバイデン氏については、アイオワとニューハンプシャーでの惨敗が響いている。オバマ政権の正当な後継者を名乗るバイデン氏だが、有権者はこれにノーを突き付けた。そもそもオバマ夫妻がまだバイデン支持を表明していない。


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