2022年12月5日(月)

前向きに読み解く経済の裏側

2020年3月11日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

日銀は金儲けのための会社ではない

 日銀が含み損を抱えたとして、それについて日銀を批判する人がいるとしたら、それは誤りです。日銀の目的は利益を稼ぐことではありませんから。

 日銀は、民間銀行とは異なり、儲けるための会社ではないのです。政府の子会社として、日本経済をうまく回すための組織なのです。金融政策を決める際には政府の指図を受けない、といったことはありますが、日本経済をうまく回そうという目的は政府と共有しているわけです。

 日銀が金融政策で国債を購入するのは、儲けるためではありません。日本経済をうまく回すためです。政府が公共投資や減税をするのも、儲けるためではありません。日本経済をうまく回すためです。日銀がETFを購入するのも、同じことです。

 したがって、日本経済をうまく回すために国債やETFを買い、それが仮に値下がりして損が出ても、政府がその損を負担することは何もおかしいことではないのです。

日銀納付金を返してもらう、と思えば良いのかも

 以下は余談です。日銀は、黒字の年には法人税等を納めた上に、国庫に納付金を納めています。そうであれば、赤字の時にはこれを返してもらうとしても、何も不思議なことではないでしょう。

 もっとも、これを突き詰めると、一般の民間企業が赤字で倒産しそうな時には、過去に支払った法人税等を国から返してもらう、という話になりますね。理屈上は正しそうですが、財政当局が認めるとも思えないですね。というわけで、深く考えるのはやめておきましょう。

  
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