前向きに読み解く経済の裏側

2020年3月30日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

対外債務を抱える途上国の通貨が売られる

 経常収支が赤字で海外からの借金をしている国は、米国の銀行が貸し渋りをすると借金を返すためにドルを買って返すことになります。そうなると、返済のためのドル買いがドルの値段を押し上げます。

 すると、最初に返した人は良いのですが、次に返す人の負担が重くなります。次々と返済のためのドル買いがドルを値上がりさせていくので、最後に返す人は1ドルを返すのに巨額の自国通貨が必要となり、破産してしまうでしょう。

 こうして、米国の金融危機は、世界中の途上国経済に大きな打撃を与えることになりかねないのです。

日本は少子高齢化で救われる面も

 このように、金融危機は様々な経路で発生し、拡大します。そうなると、当然ながら日本経済にも甚大な悪影響が及ぶことになるでしょう。

 もっとも、心の支えとしては、「金融危機が起きても世界の景気が悪化しても、日本経済への影響は従来より小さい」ということが挙げられるでしょう。少子高齢化により日本の景気変動が小さくなっていますから。詳しくは、拙稿『少子高齢化で日本の景気変動が小さくなる理由』を御参照いただければ幸いです。

 本稿は以上です。繰り返しになりますが、本稿はリスクシナリオであり、筆者の予測ではありません。過度な懸念は不要だと思います。

 なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織等々とは関係ありません。また本稿は、厳密性よりも理解しやすさを重視しているため、細部が事実と異なる可能性があります。ご了承下さい。

  
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