脱炭素バブル したたかな欧州、「やってる感」の日本

2020年4月3日

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 丸紅や大林組、関西電力など13社が出資する秋田洋上風力発電は2020年2月、日本初となる大型の洋上風力発電所の事業化を決めた。出力は14万kWに及び、秋田港と能代港の2カ所に分けて建設する。22年の後半から、固定価格買取制度(FIT)の認定に基づき、1kWhあたり36円で20年間売電する予定だ。

(SJO / GETTYIMAGES)

 丸紅からの出向で秋田洋上風力発電の社長を務める岡垣啓司氏は「秋田県の公募に応募し、15年2月に事業者に指名されてから5年がたち、ようやく事業化の決定ができた。丸紅としては今後、再エネ海域利用法の促進区域における洋上風力発電設置への応募も、積極的に検討していきたい」と語る。
 19年4月に再エネ海域利用法が施行されたことで、洋上風力発電の導入を促進する環境が整いつつある。同法により、今後は指定された海域(促進区域)において公募によって選ばれた事業者が、30年間、その海域を占用して洋上発電設備(風車)を設置・運営できるようになった。
 法施行後、環境影響評価手続きを始めた洋上風力発電設備の建設計画はすでに19件増え、法施行前からの設備容量の計画累計は1457万kWに達した。
 しかし、国が掲げる30年のエネルギーミックス(電源構成)で計画する風力発電の設備容量は、1000万kW、そのうち洋上風力は82万kWだ。世界で最も洋上風力発電を導入している英国でさえ、累計で796万kW(18年、世界風力会議資料による)の中、少々過熱気味という見方もできる。
「建設ラッシュ」を迎えそうな洋上風力発電だが、今後、日本において普及していくのか。そのカギは「発電の安定性」と「低コスト化」だ。

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