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田部康喜のTV読本

2020年5月1日

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田部康喜 (たべ・こうき)

コラムニスト

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

厳しい訓練や陰湿ないじめ

 マサは、アユをニューヨークの信頼する、インストラクターの天馬まゆみ(水野美紀)に託す。歌唱やダンスの基礎を習得した、アユを待ち受けていたのは、歌って踊れる、新しい女性のユニットを作るための訓練の場にたたきこまれることだった。

 アユは、練習仲間の陰湿ないじめにあう。部下の報告を受けた、マサは「想定の範囲内だ。アユにとって貴重な経験になる」という。

 新しいユニットのメンバーの選出と、アユが歌手としてデビューできるかの最終試験は、10キロマラソンで上位5位に入ることが条件になる。

 マサに対する愛情に執着している、秘書の姫野礼香(田中みな実)が暗躍する。右目に眼帯をかけた田中の妖しい演技がみせる。アユの練習仲間に秘密になっている、最終選考の内容をもらしたうえで、浴場にアユを誘ってあらかじめ床をすべるように細工して、けがを負わせたのだった。

 マラソンレースは、それぞれがくじ引きによって、水が入ったペットボトルを1本から10本背負って走る。アユは、右肩を脱臼して包帯を巻いたうえに、10本を当ててしまう。

 「どうして、このような選考をするのか」と尋ねる部下に対して、マサは「体力と根性と運をみるためだ」と応える。さらに、「ケガしたアユを参加させなくてもよいのでは」というと、「あいつは、スーパースターになる。けがごときで休むのか。どんなに大事な人が死んでもステージに出なければならない」。「10本を引き当てたのも運がいい」と。

 最後尾を走っていた、アユを途中でマサが待ち受けて叫ぶ。

 「アユ!泣くな。苦しんでなんかいられない。本当に泣いて、苦しむのはこんなところじゃない。未来を考えろ。俺を信じろ!」

 アユは腕に巻かれた包帯も取り去って、懸命に走り、トップでゴールする。マサは、アユを抱きかかえて「よくがんばった。病院にいくぞ」。その時、空に虹がかかる。

 2001年に時は至る。舞台の中心でアユは、浜崎あゆみがヒットチャートの1位に初めて輝いた「Boys & Girls」を歌っている。

 ドラマの主題歌も浜崎あゆみの「М」である。1990年代からのヒット曲が、さりげなく流れるシーンがはさまれているのが楽しい。

  
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