2024年11月25日(月)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年5月10日

再選を阻む「最強のコロナファクター」とは

 トランプ大統領が恐れている最強のコロナファクターは一体何でしょうか。率直に言えば、新型コロナ感染再拡大の「第2波」が「オクトーバー・サプライズ(投票日の10月下旬から11月初旬に起こる選挙結果に重大な影響を及ぼす驚くべき出来事)」になることです。

 ホワイトハウスにあるコロナ対策チームのアンソニー・ファウチ国立アレルギー感染症研究所所長は、「コロナウイルスは秋まで残る。インフルエンザの時期と重なった場合、第2波が起こる可能性がある」と指摘しました。もちろん、トランプ大統領はファウチ氏のこの分析を歓迎していません。

 しかしトランプ大統領は5月6日、中西部アイオワ州のキム・レイノルズ知事(共和党)をホワイトハウスに招いた際、同知事のアドバイザーにコロナウイルスの第2波について自ら質問をしています。選挙結果に最も影響を与える要因として、内心かなり警戒しているのでしょう。

 結局、レムデシビルがあまり効果を発揮せず、激戦州における失業率と高齢者の死者数が高まり、第2波がオクトーバー・サプライズになれば、バイデン氏に勝機が生まれます。ただ皮肉なことに、これらの要因はトランプ・バイデン両氏が簡単にコントロールできるものではありません。

 いずれにしても、トランプ大統領にとってコロナ危機は再選危機につながる可能性が高いと言えます。

  
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