米大統領選挙への影響
バイデン陣営は早速、リンカーン元大統領を使ったネット広告を配信しました。広告の中で、リンカーン元大統領の言葉である「誰に対しても敵意を持たない」を紹介します。トランプ氏は相手に対して敵意をむき出しにして、社会の分断を図るからです。
この広告の最後に、「本物の大統領が導く。リアリティ番組の大統領ではない」と述べ、トランプ大統領はフェイク(偽)の大統領であり、単に演出上手であるというメッセージを発信しました。このネット広告の視聴者数は232万回以上です。
さて、リンカーン・プロジェクトが「米憲法を尊重する民主党候補であれば受容する」と述べ、民主党に歩み寄りの姿勢を見せている点は看過できません。バイデン前副大統領は、共和党内に見方を得たと言えます。
少なくともバイデン陣営は、リンカーン・プロジェクトのネット政治広告を注視しながら、それとコーディネートした陣営の選挙広告を打つことが可能になりました。バイデン陣営とリンカーン・プロジェクトは、「打倒トランプ」を共通目標に掲げて、裏で手を結ぶかもしれません。
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