2024年4月19日(金)

Wedge REPORT

2020年6月24日

来年はリアルとのハイブリッド化
問われる目利き力

 こうしたオンライン化のメリットとデメリットを把握したうえで、来年以降企業はどういった選択をするのか。

 ある大手企業採用担当者は「採用通年化の流れが出始め、さらに優秀な学生の取り合いは激化していく。必要な人物像を見直し、そのうえで企業に合った人物を、どういった手段で採用することが最も効果的かを考えたい」と、今後の採用市場の変化への対応を課題に挙げる。例年より前倒しして、すでに来年の採用活動について検討を始めたという。

 また別の担当者は「説明会や序盤の面接など、オンラインで大半の採用活動ができるとわかった。雰囲気を確認する意味で、最終面接で一度は対面するのが現実的になるのではないか。リアルの面接の回数は少なくなり、その限られた場で面接官がオンラインでは見えない部分を見抜けるかどうか」と採用サイドの目利き力の重要性を指摘する。

 採用コンサルタントの谷出氏は「オンラインでいい部分と、一方でリアルでしか見ることのできない部分の双方のメリットを効果的に使える企業が採用競争を勝ち抜くだろう」と今後を見据える。Wedge7月号では、今回の採用オンライン化を機に、採用の在り方に新たな価値を見出した企業の事例を紹介する。画面上では学生の熱量が見えにくいが、三井住友海上ではそれをどう補ったのか。また情報の発信を抜本的に見直したのが豊田自動織機だ。従来の会社説明では、企業から一方通行の情報提供になりがちで、オンラインだとそれに拍車がかかる恐れがあった。同社では今回どういった転換を図ったのか、レポートした。

Wedge7月号では、以下の特集を組んでいます。全国の書店や駅売店、アマゾンなどでお買い求めいただけます。
■逆境に克つ人事戦略  コロナ禍を転じて福となす
Part 1     コロナ禍は変革のラストチャンス  デジタル時代に欠かせぬ人事戦略
Part 2     コロナ前に戻る企業は要注意  生産性を高める働き方の追求を
Column   「脱ハンコ」を妨げるクラウド未対応の電子署名法
PART 2 / CASE 1    シリコンバレーで進む「オフィスの分散化」 イノベーションを生むための〝次の一手〟
PART 2 / CASE 2  中国IT企業が手放せない集積と長時間労働で得る生産性
Part 3     採用・研修で起きた新潮流  オンライン化が問う「リアル」の意味

  
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◆Wedge2020年7月号より

 

 

 

 

 

 

 

 


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