Wedge REPORT

2020年6月24日

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 来春卒業予定の大学生を対象とした企業の採用活動もまた、新型コロナウイルスの影響でオンライン化を余儀なくされた。従来、学生と対面で接してきた企業は、オンライン採用にどんな価値を見いだし、今後の採用活動にどう生かそうとしているのだろうか。

SESAME/GETTYIMAGES

 オンラインを用いた採用活動は、会社の認知度を上げる場面ではメリットをもたらしたようだ。企業説明会等のイベントにおける時間や場所の制限がなくなり、一度に多くの学生に情報発信が可能になった。各社、自社の紹介動画をウェブサイト上に常時掲載したり、テレビ会議システムを使い社員への質問会を頻繁に実施するなど、オンラインの特性を生かした手法で学生にアプローチをかけた。

 日立製作所はいち早く最終面接までのすべての採用活動のオンライン化を決断し、2月中に公表した。3月初旬にはオンライン会議ツールを用いた就職相談会を実施。2カ月間で約100回開催し、のべ約600人の学生が参加した。「不安な学生のために早急に決断すべきと考えた。以前から海外駐在の社員との連絡や、海外学生との面接をオンラインで実施した経験があり、環境整備も迅速に行えた」と人事勤労本部の太田さき氏は語る。

  相談会開始当初こそ、学生の話す音声が途切れるなどのトラブルなどが発生したものの、そこで対応の事例を積んだことで、6月からの面接も問題なく進めることができたという。さらに、相談会に参加した社員の多くがオンラインで円滑にコミュニケーションが取れることを改めて実感。日頃の業務でオンライン打合せの利用がより積極的となった。

 三井住友海上火災保険の場合、従来のリアルな説明会では、学生の参加人数は1回あたり最大250人程度だったが、今年はオンラインで実施したため、最大1500人程度に増えた。都市圏の学生だけでなく、地方の学生や海外在住の学生も多く参加した。「オンラインで幅広く情報発信ができるのは魅力だった。リアルなイベントとともに、来年以降の導入も検討したい」と人事部採用チーム課長の保坂宇衣氏は語る。

オンラインで実施された三井住友海上火災保険の最終面接 (Wedge撮影)

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