2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年7月2日

 米AEI(アメリカン・エンタープライズ研究所)外交安保関係代表のプレトカ氏が、6月2日付のAEIのウェブサイトで、オバマは、シリアの反乱軍に空からの庇護を与え、トルコとの国境地帯に反乱軍にとって安全な地域を作るべきである、と述べている。

 すなわち、オバマは、反乱軍への武器供与を増大すべきだ。それは内戦を拡大させるよりも、反乱軍の勝利による内戦の終了に寄与するだろう。また、オバマは、シリアの反乱軍側と密接な連絡をとって、解放後の民主化への道筋をつけ、シリアの周辺諸国も安心させるべきだ。

 シリアはイランの強い影響下にあるので、シリアの反乱軍支援はイランに対する打撃ともなろう。また、シリアにおける穏健なイスラミストの勝利はエジプトの政治にも良い影響を与えよう。更に、米軍が反乱軍にエア・カヴァーを提供し、トルコなどと協力して国境地帯に安全な回廊を設置することも考えられる。

 これらは、確かにリスクを伴う措置だが、共和党大統領候補のロムニーはもっと強くアサド追放を支持しているのだから、オバマとしては、政策の幅に余裕を持っている、と言っています。

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 これは、かなり激しい提言です。プレトカは保守派のAEIの代表ですから、真に好意的な意図でオバマに対して助言しているのかどうか、よく分かりません。


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