相変わらず新型コロナウィルス感染者の数が減らないカリフォルニア州ロサンゼルス。最近の推移を見ても、8月5日の感染者2347人、死者68人、8月6日が感染者3290人、死者48人。日本と同様に最近は若い人の感染が多く、およそ60%が18−49歳だという。
中でも現在最もリスクが高いグループとなっているのが30−49歳の年齢層だ。6月初頭と比較すると7月末時点でこの年齢層の感染者は3倍以上に増えており、人口10万人辺りで1122人という高い数字になっている。この層が現在入院中の患者の25%を占め、それに18−29歳の層が続く。一方で80歳以上の高齢者の入院数は4月と比べて半減しており、今や新型コロナは高齢者ではなく若い人にとって脅威となっている。
数で見ても現在ロサンゼルス郡の感染者は20万人を超えたが、うち10万9000人が18−49歳の年齢層だ。ただし死亡者だけで見れば、例えば8月5日の死者68人のうち80歳以上が23人、65−79歳が24人、50−64歳が17人、それ以下の年齢層では3人、と相変わらず死亡リスクは高齢者が高い。
ではなぜ30−49歳という年齢層での感染が多いのか。最大の理由はこの年齢層が外で働いているため、だ。リモートワークが出来ない人々にとって、日々他者と接する職業につくことは大きな感染リスクを伴う。製造業の現場での集団感染のニュースも多く、小売業、サービス業などのリスクも相変わらず高い。
しかしそれらとは別に大きな感染源として、政府がマークしているのがホームパーティの存在だ。現在ロサンゼルス郡では同一世帯の家族以外との自宅などでの会食等を禁じているものの、違反者は跡を絶たない。ホームパーティに関してはこれまでも数々の問題が報告されてきた。中には「子供の1歳の誕生パーティに友人知人を呼んだところ、武装した警官隊が押し寄せて撤収を命じた」と主催者側が問題にしたケースもある。
一方で行き過ぎた自粛警察なのか、ホームパーティをしている家に銃弾が打ち込まれ死傷者が出る、という事件も数件報告されている。最新のものでは8月4日深夜、ビバリーヒルズの豪邸で催されたパーティで銃撃があり、1人が死亡、4人が負傷したという事件があった。このパーティについては近隣の住民から警察に通報があり、警察官がかけつけたが「プライベートパーティだ」という理由で追い返され、パーティが続行していたという。
犯人は特定されていないが、米国のパーティは大音量の音楽や談笑の声など、とにかく目立つ。こうしたパーティを狙ってのドライブ・バイ・シューティングが行われた可能性も否定出来ないという。このパーティはセキュリティのための警備員を雇うなど、大掛かりなものだったそうで、どこから犯人が侵入し犯行に及んだのかなど謎も多い。