2024年7月16日(火)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年8月11日

法廷闘争

 仮にバイデン氏は選挙でトランプ大統領に勝利を収めても、同氏には登らなければならない山がもう1つあります。バイデン氏が僅差で勝利した場合、トランプ氏は郵便投票で不正があったと主張し、法廷闘争に持ち込む公算が高いからです。

 USAトゥデイ紙によると、バイデン陣営はすでに訴訟に備えて、600人の弁護士を抱えています。一方、米議会専門紙「ヒル」によれば、共和党全国委員会(RNC)は裁判での決着を想定して、1000万ドル(約10億5900万円)の予算を2000万ドル(約21億1800万円)に引き上げました。

 トランプ大統領の「第3の逆転戦略」は、最高裁判所で結果を覆すことです。現在、最高裁判事は保守派が5人、リベラル派が4人でトランプ氏に有利です。しかもトランプ大統領は2人の保守系の判事を指名しました。従って、順当に行けば5対4でトランプ氏の逆転勝ちになります。

 ただ、勝敗を決するのはジョン・ロバーツ最高裁首席判事になるでしょう。過去に、ロバーツ首席判事はリベラル派の側に立ったことがあります。となると、トランプ氏の意に反して、5対4でバイデン氏の勝利もあり得るということです。

  
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