2023年1月30日(月)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年8月24日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

なぜ吃音(きつおん)症の少年が登場したのか?

 バイデン氏の指名受諾演説の前に、東部ニューハンプシャー州在住の吃音症を持つ13歳の少年が登場しました。バイデン氏が予備選挙の際中、同州での集会で出会った少年です。この少年は、少年期から吃音症があるバイデン氏がこの病状を克服するためにアドバイスをしてくれたと語りました。

 バイデン陣営には同氏を「ケア」「思いやり」及び「感情移入」ができるリーダーとして描く思惑があったことは確かです。新型コロナウイルス、失業率及び人種差別問題で、米国民は不安な日々を送っています。

 このような状況下で、有権者は自分のような人をケアしてくれる大統領候補を求めているからです。思いやりや感情移入に欠けると指摘されるトランプ大統領との対比を、鮮明に出す狙いもあったでしょう。

 バイデン氏は指名受諾演説で、米国を結束させること、大統領就任1日目から新型コロナウイルスをコントロールすること、米国民を守ること、米国の魂を取り戻すこと並びにその魂を潰したトランプ氏と戦うことについて言及し、「固い決意」を示しました。

 要するに、バイデン氏は「ケア」及び「思いやり」のある「固い決意」を持ったリーダーであるいう演出をしたのです。

  
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