なぜ吃音(きつおん)症の少年が登場したのか?
バイデン氏の指名受諾演説の前に、東部ニューハンプシャー州在住の吃音症を持つ13歳の少年が登場しました。バイデン氏が予備選挙の際中、同州での集会で出会った少年です。この少年は、少年期から吃音症があるバイデン氏がこの病状を克服するためにアドバイスをしてくれたと語りました。
バイデン陣営には同氏を「ケア」「思いやり」及び「感情移入」ができるリーダーとして描く思惑があったことは確かです。新型コロナウイルス、失業率及び人種差別問題で、米国民は不安な日々を送っています。
このような状況下で、有権者は自分のような人をケアしてくれる大統領候補を求めているからです。思いやりや感情移入に欠けると指摘されるトランプ大統領との対比を、鮮明に出す狙いもあったでしょう。
バイデン氏は指名受諾演説で、米国を結束させること、大統領就任1日目から新型コロナウイルスをコントロールすること、米国民を守ること、米国の魂を取り戻すこと並びにその魂を潰したトランプ氏と戦うことについて言及し、「固い決意」を示しました。
要するに、バイデン氏は「ケア」及び「思いやり」のある「固い決意」を持ったリーダーであるいう演出をしたのです。
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。