海野素央の Love Trumps Hate

2020年8月14日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

カマラ・ハリス上院議員と筆者(@ネバダ州ヘンダーソン)

 今回のテーマは、「バイデン氏はハリス副大統領候補に何を期待しているのか?」です。米民主党大統領候補が確実になったジョー・バイデン前副大統領(77)は8月11日、支持者に電子メールを送り、副大統領候補にカマラ・ハリス上院議員(55)を選んだと発表しました。ハリス氏は「バイデンメモ」に書いてあった人物です(「米民主党副大統領候補はハリスか?」参照)

 バイデン氏はどのような理由からハリス上院議員を副大統領候補に選択したのでしょうか。また、バイデン氏はハリス氏に何を期待しているのでしょうか。一方、ドナルド・トランプ大統領はどのようにしてハリス氏を潰そうとしているのでしょうか。本稿では、バイデン氏のハリス氏に対する期待を中心に述べます。

ハリス選択の理由

 バイデン前副大統領は米国で初となる黒人女性を副大統領候補に選択しました。米メディアは「歴史的な選択」と報じています。

 まずバイデン氏は支持者向けのメールの中で、米国は新型コロナウイルスの「パンデミック(世界的大流行)」「経済危機」「人種問題」の3つの歴史的危機に直面していると述べました。その上で、ハリス上院議員は「賢くて、タフで、しかも国を導く準備ができている」と称賛して、副大統領候補に選んだ理由を説明しました。ハリス氏と一緒ならば、3大危機を乗り越えることができると言いたいのでしょう。

 バイデン前副大統領はハリス上院議員が3つの歴史的危機に遭遇している「人々の痛みを理解できる人物」であると評しています。

 加えて、2015年に脳腫瘍で亡くなった長男のボー氏の意見が、ハリス氏起用の決定に影響を与えたと明かしました。この点は看過できません。

 ボー氏は東部デラウェア州の司法長官でした。同時期に、ハリス氏は西部カリフォルニア州の司法長官を務めており、ボー氏と親交がありました。

 バイデン前副大統領によれば、ボー氏はハリス氏の仕事に敬意を払っていたと言うのです。副大統領候補の意思決定をする際、バイデン氏はボー氏の意見を尊重したと支持者に伝えました。長男のボー氏に対する信頼は今でも絶対です。

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