2024年11月22日(金)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年9月15日

米メディアの影響力

 16年米大統領選挙では連邦捜査局(FBI)によるヒラリー・クリントン氏のメール問題の捜査再開がオクトーバー・サプライズになりました。ジェームズ・コミー元FBI長官が投票日の11日前に、私的サーバーで公務を行ったクリントン氏のメール問題の捜査を再開すると発表したのです。

 前回の選挙では投票日直前まで、トランプ氏とクリントン氏のどちらの候補に投票するのか「決めかねている有権者」が13%もいたといわれています。米メディアはFBIによるメール問題捜査再開の発表を大きく扱いました。その結果、一部の「決めかねている有権者」が、クリントン氏が重大な犯罪を犯したという印象を持ったことは否定できません。

 後にクリントン氏はインタビューの中で、投票日直前の出来事に対して対応する時間が足りなかったと振り返りました。

 米メディアがどれだけ驚くべき出来事を報道するのかが、オクトーバー・サプライズの効果性に影響を与えます。要するに、メディアの出来事に関する報道量が、どちらかの候補を有利に導く結果になるわけです。


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