2024年4月27日(土)

山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2020年9月24日

ルワンダに必要な3種の神器

 さて、今回のzoom会議に参加したサポーターたちの特徴には3点の類似性がある。すでにパート②でも述べたようにデジタル技術とグローバルな視点と多様性のある考え方の持ち主が多いのだ。

 デジタル技術とはICT情報通信技術(Information&Communication Technology)のことだが、昔と違ってスマホやPCやiPadなどが気楽に利用できることである。また3人のサポーターは地球規模で活躍しているタイプで当然ながら多様性のある発想や考え方を持っているから新型コロナに立ち向かう姿勢や山田家との相性も良いのかもしれない。

 さて、ルワンダの男性に対して、日本の男性も偉そうなことは言えない。ビジネスマンの中には海外出張もろくにできない社員もいる。グローバル時代と言っても日本の男性は最近でも海外駐在や海外出張でさえ積極的に行くことに抵抗感を持っている層も少なくないという。多様性についても内輪で空気を読みあっているタイプがまだまだ多い気がしている。ルワンダに興味をもって進出するような男性は少数派である。

 逆に女性はグローバルで多様性のあるタイプが増えているのでKISEKIに興味を持ってくる比率は男性よりも女性の方が多いくらいだ。いずれにしてもデジタル技術とグローバリズムとダイバーシティーがKISEKIのサポーターの3種の神器であることは間違いなさそうだ。しかし現時点ではこのタイプは日本ではまだまだマイノリティーである。

 ところで話題は変わるが、日本人がアフリカに支援をするという流れは世界の優等生である我々日本人の責務だという意見は良いのだが、支援をするにもどこまで入り込めばよいのかには限度がある。まず素朴な疑問であるがルワンダには、なぜそんなに多くのシングルマザーがいて、不幸なストリートチルドレンが増えているのか? この社会問題を深堀してみたい。原因が明確でなければ対策の打ち方も出てこないからだ。

なぜシングルマザーが多いのか?

 ルワンダは不思議な国で何事も極端な傾向がある。歴史や文化が違うからそうなのだろうがそれにしても不自然に両極端な現象が多いように思う。農業中心の経済だが何故かICT(通信技術)先進国。人口は1250万人しかいない小国だがGDPの伸びはアフリカでトップクラス、発展途上国だが社会システムは整っている。治安が良くて危険は少なく「アフリカのシンガポール」と呼ばれるがそれは首都のキガリだけの話。

 女性の議員数は世界一だが女性蔑視の風潮は消えていない。平和で奇麗な国家だが実は大虐殺の歴史がある。と、不思議な部分が多いがよく研究すると実は納得できる原因も理由もある。そんな視点で、なぜシングルママが多いのかを解き明かしてパート3は終わりたいと思う。

 まず、女性の結婚適齢期は20歳だが、性教育が遅れていて妊娠する女性が多い。つまり避妊の知識が少ない。女性蔑視の社会で男性は避妊具を使わない。男性は経済力が不足していて扶養能力がないので現実から逃避して直ぐに逃げてしまう。キリスト教国家なので中絶は禁止。賃貸住宅に住んでいる人は結婚許可が下りない。政府の権力基盤は強いけれども平等ではないから貧困層に生活保障は渡らない。スラムでは助け合いをする慣習があるのでシングルマザーが助け合って生きていく。抜本的な改革は政治主導で改善するしかない。

 さていよいよ次回の最終章パート4ではそろそろハッピーエンドとなって貰いたいが、最後に美緒さんのKISEKIには何が起こるのかは分からない。

 この国は未来の予測が出来ないから「ルワンダの奇跡」が起こるのかもしれない。  

  
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