算出機構も見直しを検討
損保業界各社に対して商品を設計するうえで参考となる保険料率などを提供しているのが損害保険料率算出機構だ。住宅総合保険の参考純率について、2014年6月の3.5%、18年5月の5.5%に続いて19年10月に4.9%値上げしてきている。このことからも自然災害の多発により住宅リスクが高まっていることが分かる。
同機構の市川泰彦常務理事は「過去のデータや自然災害のシミュレーションにより、損保各社に対して適正な保険料率の基礎になる参考純率(参考値)を提供している。19年にも自然災害の多発などを受けて参考純率の値上げ、築年数の浅い住宅に対する保険料の割引の導入(築5年未満は保険料を平均28%割引し、築5年以上10年未満は平均20%割引く)をするなど、状況に応じて見直している。水災については、地域に応じて保険料に格差を設ける料率制度、体系案を検討している。合理的に説明するための科学的なデータの収集方法やリスク評価の方法を模索している段階である」と説明している。
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