問題解決策は何か
グリッディは、卸価格上昇前にホームページで契約者に対し他社の固定式契約に切り替えるように促したとしているが、多くの契約者は試みたものの切り替えが需給逼迫時にはできなかったと報道されている。さらに、グリッディは5分割での料金支払いにも応じるとしているが、アボット・テキサス州知事はこの高額な請求については解決策を考えると述べており、州政府の介入がありそうだ。グリッディは、卸料金の支払いがなされなかったとして、市場から排除されたと報道された。
テキサス州では、今までも夏の需給逼迫時に短時間9ドルの上限価格に張り付くことがあったが、冬の長期間の需給逼迫は想定されていなかった。緊急用の供給設備導入のための容量市場、予備力制度を持っておらず、緊急時対応設備がなかった市場設計に問題があったのではないかとの指摘も出ている。テキサス州と同様の寒波に襲われた他州は容量市場を持っており、事業者が寒波により発電設備を維持できず発電の要請に応えられない場合には罰則対象になる。他州でも停電は発生したが、テキサス州ほどの規模の停電と卸価格の上昇はみられなかった。今回の電気料金上昇を引き起こしたのは、結局市場設計の問題と言えるのではないか。容量市場を導入しなければ、将来また問題が発生するかもしれない。
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