2024年6月18日(火)

WEDGE REPORT

2021年3月4日

何が電気料金を100万円にしたのか

 全米の大半の州は、2月中旬北極からの極渦と呼ばれる大寒波に襲われた。テキサス州でも零下を記録し、電力需要が大きく高まるとともに、風力発電設備の凍結、天然ガス火力へのガス供給の減少などにより発電能力が大きく減少することになった。2月15日の停電発生直後からERCOTのホームページは閲覧不可とされており、直接データを確認できないが、報道では最大時4600万kWの電源が脱落し、そのうち2800万kWは天然ガスを中心とした火力設備だったとされている。

 需要急増に対し、設備が脱落したため供給不足が起こり、2月15日から輪番停電が開始され、最大時430万顧客が影響を受けたとされている。電力需給が逼迫する事態となったので州公共事業委員会は、節電を促すためERCOTに指示し2月16日から19日まで卸価格を1kW時当たり9ドルの上限に引き上げ維持した。夏の電力需要と異なり寒波で需要が急増し、設備が脱落している中で上限に引き上げたのは問題との指摘もある。

 このため、卸価格に連動している変動型小売電気料金は大きく上昇し、約1250万の契約者のうち、ヒューストンに本社があるグリッディという連動型料金体系を導入している小売事業者の顧客2万9000が大きな影響を受けることになった。テキサス州の地元のテレビ局は、いつもの120ドルの毎月の支払いが既に6250ドルになっている、あるいは660ドルの通常の支払いが1万7000ドルになったとの契約者の声を紹介している。例えば、寒波来襲中に暖房のため4日間で500kW時の電力を使用すれば、それだけで料金は4500ドルになる。

 そんな中で、毎月200ドルから250ドルの支払額が9500ドルになり、グリッディが銀行口座から勝手に一部を引き落としたと主張する消費者が、グリッディに支払いの免除を求め、精神的な被害迄含め10億ドルの集団訴訟を起こした。訴訟を伝える新聞には、「契約に則り請求されている金額であり金額が高いのは違法ではないので、訴訟を起こすのには無理がある」との大学教授のコメントが紹介されている。


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