バイデンの懸念材料
ただし、バイデン大統領には少なくとも3つの懸念材料があるのも事実です。第1に、米公共ラジオ、公共放送及びマリスト大学(東部ニューヨーク州)が行った共同世論調査(21年3月3~8日実施)では、49%の男性の共和党支持者が「ワクチンの準備ができても接種しない」と回答しました。同調査では、トランプ支持者のうち47%が接種しないと答えています。
うえの数字に関して、西部コロラド州コロラドスプリングス在住の共和党支持の白人男性(64)は、「ばかげている。トランプ支持者を教育する必要がある」と語っていました。ちなみに、この男性は接種を2回終えています。
第2に、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルの中米「北部三角地帯」から親を伴わずに米国とメキシコとの国境に押し寄せてくる「子ども移民」の問題です。彼らは米国側の政府施設に収容されて
バイデン氏は移民問題の責任者にハリス副大統領を指名しました。ハリス氏は早速、グアテマラのアレハンドロ・ジャマティ大統領と対策を協議しました。
現時点で共和党がバイデン大統領に対抗できるのは、おそらく移民問題でしょう。移民問題におけるバイデン氏の支持率はロイター通信とイプソスによる調査(21年3月17~18日実施)によれば、41%で50%を下回っています。同党のケビン・マッカーシー院内総務やリンゼー・グラム上院議員(南部サウスカロライナ州)らがメキシコとの国境を視察したのは、新型コロナ対策及び経済ではバイデン氏に勝ち目がないと計算したからです。
共和党のみならず、民主党中道派のヘンリー・クエラー下院議員(南部テキサス州)もバイデン政権の移民対応に不満を漏らしています。今後、同党左派も声を上げる可能性があります。しかもバイデン氏にとって、「子ども移民」の問題は人権で非難されている中国に攻撃材料を与えることにもなります。
第3に、ジョージア州で成立した「投票制限法」です。正攻法では勝利できない同州の議会共和党は、投票のルールを変更して、民主党支持者の投票意欲を「抑圧」する戦略に出ました。
例えば、その戦略には投票時間や期日前投票の短縮、黒人居住区の投票所の削減などが含まれています。つまり、投票率を下げて民主党支持の票を減らす意図があることは明らかです。
支持率を見る限り、好調な滑り出しをしたバイデン政権ですが、うえの3つの懸念材料の中で「子ども移民」の問題が同政権に影を落とすかもしれません。
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