From LA

2021年4月8日

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(choness/gettyimages)

 米カリフォルニア州のニューサム知事が、6月15日からコロナによる規制を緩和し、すべてのビジネスの再営業を始める、というプランを明らかにした。同州では1月に映画館の再オープン、シーズンが始まったメジャーリーグ野球への観客入場、4月からはディズニーランドの通常営業再開など、段階的な緩和策をとってきた。

 今回6月15日というすべての規制撤廃が発表された理由として、知事は「4月15日から16歳以上のすべての州民へのワクチン接種が開始され、およそ2カ月でほぼすべての人へのワクチン接種が終了する」という見通しを語った。

 同州の4月5日現在のワクチン接種状況は、50歳以上のすべての州民が対象で、接種率は少なくとも1回の接種を終えた人が34.2%、2回の接種を完了した人は18.1%となっている。

 またコロナ感染者は1月以降減少の傾向にあり、1日の感染者数としては1月12日がピークの4万5000人程度だったが、4月5日には3109人となった。現在州内で入院中の重症患者は1989人、うちICUに入っている人は493人で、医療逼迫の事態も大きく改善されている。

 ロサンゼルス郡が発表しているデータによると、1日のICU使用率も、昨年12月27日から今年の1月31日までは80%を超えていたが、2月以降は急速に減少し、3月7日以降は20%以下をキープしている。やはりワクチン接種が感染対策として大きな役割を果たしていることが分かる。

 しかし、6月15日に経済の全面的な再開、というのは果たして適切な判断なのか。専門家の中には「変異種の増加などの問題もある中で、性急すぎる」という意見を呈する人もいる。米CDCが「ワクチン接種を終えていれば国内の旅行や二家族以上での会合なども可能」という見解を示したこともあり、国内移動やビーチ、ショッピングモールなどを訪れる人が急激に増えている。

 もちろんカリフォルニア州も完全にコロナ以前の状態に戻す、という方針ではなく、経済は再開するがマスク着用義務は続ける、など警戒心は持続するよう呼びかけている。しかし、これまでも規制を緩和すれば感染者が増える、という繰り返しを続けてきたのは日本と同じだ。特に昨年11月の感謝祭からクリスマスにかけてのシーズンで感染者が一気に増え、ロサンゼルス郡では1月1日に1日の感染者としては最高となる1万9980人を記録した。

 ロサンゼルスの4月7日の感染者数は403人で、東京や大阪よりも少ない。しかし、累計の感染者数は120万人以上、死者も2万3000人を超える。これまでの累計とワクチンにより集団免疫が出来つつある、という考え方もできるが、急な経済再開により再び新たな感染爆発が起こらない、という保証はない。

 それでも州も郡政府も経済再開に積極的なのは、やはりこれ以上の自粛による経済的な打撃に体力が持たない、という思いがあるためだろう。コロナ対策の最前面にある公立病院の財源は州の売上税などの税収だ。それが昨年、今年と大幅に落ち込んでいるため、医療の現場での資金不足も指摘されている。

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