2年近くにおよぶ改装期間を経て、今年10月に再オープンした五島美術館で、開館を記念した名品展「時代の美」が開催されている。これは五島美術館の国宝5件、重要文化財50件を含む5000件のコレクション、および大東急記念文庫の国宝3件、重要文化財32件を含む2万5000点の所蔵品の中から厳選した作品を、時代別に4回に分けて展示する趣向で、「第1部 奈良・平安編」に続いて、第2部では鎌倉・室町時代にスポットを当てる。
「清原元輔像」(部分) 鎌倉時代(13世紀)
五島美術館所蔵
会場では、国宝の『紫式部日記絵巻*』をはじめ、いずれも重要文化財の「寒山図」(霊彩筆)や『平家物語 延慶本(えんぎょうぼん)』など絵画や書籍、和漢の貴重書など約70件を公開。和歌と合わせて歌人を描いた歌仙絵(かせんえ)では、清少納言の父、清原元輔の肖像画を展示する。これは秋田藩佐竹家に伝わる全2巻の絵巻だったもので、大正8(1919)年に歌仙ごとに切り離して売却、抽選で購入者を決めたという逸話が残る作品だ。
なお「時代の美」は、今後「第3部 桃山・江戸編」、「第4部 中国・朝鮮編」と続き、順を追ってコレクションをたどることができる。
*展示期間11/23~12/9
時代の美 第2部 鎌倉・室町編
<開催日>2012年11月23日~12月24日 ※会期中、一部展示替えあり
<会場>東京都世田谷区・五島美術館(東急大井町線上野毛駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://www.gotoh-museum.or.jp/
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