子ども・家庭・学校 貧困連鎖社会

2012年12月3日

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(図表2)
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 就学援助の受給率(以下、「就学援助率」)は、生活保護費同様、近年、増加の一途をたどっている。文科省が就学援助の調査を開始した1995年度の約76万6千人から16年連続して増加し、2011年度に全国で支給対象となった公立の小中学生(全国で公立小・中学校に通う生徒は2010年では1014万人)は、前年度から1万7千人増え、過去最多の156万8千人(全国の児童生徒の16%)になった。内訳は、要保護は15万2千人、準要保護は141万6千人である。(図表2)

 16%という割合は、厚生労働省が2011年に公表した日本の子どもの貧困率(貧困率の定義などの詳細は厚労省HP参照:http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/2-7.html)も15.7%とほぼ同じ値であり、二つの指標から日本の子ども(公立小中学校)の6人に一人が貧困状態にあるということができる。

(図表3)
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 準要保護者への就学援助には、生活保護法のような全国共通の認定基準がなく、したがって、準要保護の認定が市町村教育委員会の独自の基準と方法で行われていること、そして「周知」も自治体によって異なる方法で行われていることから、図表3のような大きな差がつくことになる。赤く塗られている大阪府、山口県は公立の小中学校に通う児童生徒の4人に1人が就学援助を受けている。次いで対象者が多いのは、北海道、東京、広島、高知、福岡で5人に1人である。

 図表3では、東北・中部の各県の就学援助率が首都圏、近畿と比較し、低いのが目立つ。ではなぜ、地域差があるのか。経済状況の差もあるが、ほかに、制度の「周知」のやり方の違い、就学援助費の一般財源化、「認定基準の厳格化」、「援助支給額の減額」といった要素もある。

(図表4) 出所:文科省
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 図表4は、2001年からの10年間の公立の小中学生の就学援助率の推移を、地域別に表したグラフである。

2009年になって再び就学援助率は増加率が大きくなる。調査した鳫咲子(当時、参議院企画調整室、現・跡見学園女子大学)によると、その要因・背景には、第1にリストラなどの就業環境の変化、第2にはひとり親家庭の増加があると言う。事実、国勢調査によれば母子家庭の世帯数は、1990年から2010年までの20年間で20万世帯(33%)増加している。(※母子世帯とは未婚、死別又は離別の女親と、その未婚の20歳未満のみからなる世帯)

(図表5) 拡大画像表示

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