都内で、就学援助率7割の中学も
(図表6) 出所:文科省
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東京都の2011年度の公立中学生の就学援助率を比較すると、足立区の46.6%をトップに、荒川区(42.6%)、墨田区(43.6%)、江東区(40.9%)、板橋区(43.7%)が40%台だった。(図表6を参照。赤く塗られている地域が40%台の地域)
30%台(黄色く塗られている地域)と40%台の地域が23区でも東部の「下町」に集中していることがわかる。一桁は千代田区の8.6%のみであった。東京都全体では中学生は33.2%であった。足立区の認定基準率は生活保護の1.1倍である。足立区では生保世帯とほぼ変わらない経済状況の家庭が、中学生を持つ家庭ではほぼ半数ということになる。
実際、筆者は、昨年、足立区内のある中学で講演を依頼されたことがあるが、そのA中学の就学援助率は70%を超えていた。ちなみに、ひとり親家庭も5割を超えていると説明を受けた。図表6から隅田川から東側の城東地域の率の高さが目立つ。
(図表7)
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図表7を見ると、この20年間で東京都の23区でほぼすべての地域で、就学援助率が2倍になっていることがわかる。東京都内に暮らす子どもたちの世界もこの20年で貧困化が進行している。
都内の公立中学校の生徒の就学援助受給率は37区市で2割を超え、18区市は3割。公立小学校の児童は21区市で受給率2割を超え、3割以上は5区市である。
中学の方が高いのは、東京都では、経済的に余裕のある家庭の子どもは私立中に入学する傾向が強く、そのため中学での受給率が高くなっていると思われる。私立中学に入学する世帯収入の平均は800万円以上世帯が8割を超え、公立中学の子どもの世帯収入と大きな差ができている。(2006年 文科省調査)