2022年12月2日(金)

プーチンのロシア

2021年11月26日

»著者プロフィール
閉じる

佐々木正明 (ささき・まさあき)

ジャーナリスト、大和大学社会学部教授

1971年岩手県生まれ。大阪外国語大学(現・大阪大学外国語学部)卒業後、産経新聞社に入社、大阪社会部、モスクワ支局長、リオデジャネイロ支局長、運動部次長、社会部次長を歴任。特派員として五輪・パラリンピックやサッカーW杯を取材した。2021年春から現職。著書に『恐怖の環境テロリスト』(新潮新書)、『シー・シェパードの正体』(扶桑社新書)。

プーチンはブレーキとアクセルを踏んでいく

 結局、プーチン大統領は11月、英グラスゴーで開かれ、温室効果ガスの排出削減強化や石炭火力発電や化石燃料からの脱却にも取り組むことを決めたCOP26の首脳会議には出席しなかった。欧米主導の枠組みになることを抑制した可能性もあるが、もうすでにロシアの気候変動対策への関与は損失額からみても明確だ。

 ただ「もろ刃の刃」である気温上昇も、農業面や北極圏の石油ガス田開発、北極海航路の開発には多大なメリットもあり、プーチン政権は今後、国際社会の中で、ブレーキとアクセルを両方踏みながらの運転をしていくことになるに違いない。

 ロシアでは毎年1月中旬の深夜から早朝にかけて、カチカチに凍った池や川で水を浴びるロシア正教の宗教行事「洗礼式」が行われる。氷点下10度の極寒の中で身を清めることに大きな意味があるのだが、地球温暖化が進めば、将来、この真冬の恒例行事も、池や川の氷を切り抜くような従来のやり方が変わっているかもしれない。

  
▲「Wedge ONLINE」の新着記事などをお届けしています。

新着記事

»もっと見る