武器購入交渉をストップ
UAEにとって気掛かりなのは、イエメン戦争に批判的なバイデン政権がF35の売却に条件を付け、交渉が難航していることだ。伝えられるところでは、これに怒ったUAEがこのほど、交渉を停止することを米側に通告した。今後バイデン政権との関係がさらに悪化する恐れもある。
米紙によると、イスラエルによるイランへの軍事行動を懸念するバイデン政権はイスラエルに対する8機の空中給油機KC46の供与を渋っている。最近訪米したイスラエルのガンツ国防相は米側から24年までは引き渡せないと通告されたという。この供与については、武器の輸出を管理している米国務省が3月に承認していたもので、イスラエル側が反発している。
イスラエルは核合意再建協議が暗礁に乗り上げている間にイランが核開発を急いでいると批判、イランの核開発施設への軍事攻撃計画を策定している。しかし、この作戦には新型のKC46が不可欠だとされ、給油機の支援なしではイスラエル軍機が給油のためUAEなどの基地に緊急着陸する必要がある。
米国は武器の供与を抑制して軍事的緊張を制御しようと図っているが、その思惑とは裏腹に、イラン、イスラエル、ペルシャ湾岸諸国情勢は米国のコントロール下から外れ、一人歩きするような予感をはらんでいる。