そんな中国を隣国とし、戦後の国際秩序の恩恵を受けて来た日本は、ルールに基づく世界秩序の維持のために、より積極的にできることをしていくべきであろう。米国人がこのような秩序の保証人としての役割に疲れてきていることは明らかである。トランプが登場したことはそれを反映しているとも言える。
親和性の高い民主主義体制
国際的なルールに基づく秩序は、法の支配を重視する民主主義体制と親和性がある。法治より人治の中国の習近平政権、ますます独裁化するロシアのプーチン政権は、このような考え方を拒否している。国内政治と国際政治での対応には思想的につながる面がある。ルールに基づく国際秩序と習近平の考え方、プーチンの独裁とは両立が難しい面がある。
12月9日~10日(日本時間)、オンラインにて、バイデン米国大統領が、「腐敗との闘い」、「権威主義からの防衛」及び「人権尊重の促進」をテーマに「民主主義サミット」を開催した。岸田文雄首相も参加し、ビデオ・メッセージの発出もしているが、日本の人権外交が、どれだけ具体的に他の民主主義諸国に影響を与えているかは未知数である。
バイデン主導の民主主義サミットには諸批判があったが、現在の国際社会の問題が体制間の競争であることを浮き彫りにしたという意味で意義があったと考えられる。