2022年6月30日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年1月20日

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 それによると、①マンチン上院議員が 再建法案への反対を明らかにした瞬間から、民主党左派は「反黒人、 反子供、反女性、反移民だ」などと怒りをぶちまけている、②下院では 「議会進歩コーカス」が最強の左派勢力だ、③上院で唯一の保守的議員になったマンチンは「民主党議員が嫌なら、私をどこにでも追い出せば良い」と述べている、④党内にはマンチンへの怒りは民主党がリベラルな都市・郊外以外の有権者から如何に遊離しているかの表れではないかと恐れる議員もいる、⑤今や民主党は左派政党なのか、あるいは地方や小さな町、中道や浮動層の多い地域の幅広い支持を受けた中道左派連合なのかが問われている、⑥バイデンは穏健派として予備選を勝ったが、その後スタッフや同僚議員により左に引っ張られたとの見方もある、⑦仮に社会福祉法案を縮小、成立させることが出来たとしても進歩派は次にフィリバスター・ルールの廃止(マンチンとシネマが強く反対)をやろうとしているなどと指摘する。

 昔は、米国の議会は良くも悪くも党指導部の権限が絶大で党内の統制が効いていた。多様化を背景にアイデンティティ政治が政治を一層先鋭化させゼロサム・ゲーム化させているのか。デモクラシーは、抑々もっと鷹揚な、信頼に基づく妥協のシステムではなかったのかと思ったりもする。

人種や信条を超えた中間層の党へ

 ヒスパニック系の民主党離反が起きているとも指摘される。今の党内確執でもヒスパニックの影は見えない。FTの社説は、民主党が人種や信条を超えて全ての中間層の党になることの重要性を強調する。

 2020年国勢調査によると、ヒスパニック系人口は全人口(3億3144万人)の18.7%(6210万人)を占め、最大のマイノリティとなっている (黒人は12.1%)。しかもその人口は増加しており60年には全人口の3割近くになると予想されている。更に増加はカリフォルニア、テキサス、フロリダなどの重要州で顕著となっている。

  
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