2024年12月23日(月)

新しい〝付加価値〟最前線

2022年1月31日

 白物家電の業界団体である一般社団法人日本電機工業会(JEMA)が発表した2021年の国内出荷実績調査によると、洗濯乾燥機や電気掃除機、電子レンジ、食器洗い乾燥機などの家電が前年実績を上回っていることがわかった。コロナ禍によって清潔意識が高まったことで、家庭内の掃除の回数が増えたり、洗濯物を外干しせずに乾燥までやってしまうというのニーズの増加や、おうち時間の増加に伴い、内食が増え、料理や食器洗いをサポートしてくれる家電に注目が集まったといえる。

 その一方で、電気冷蔵庫の国内出荷台数は、前年比2.2%減の377万8000台となった。コロナ禍で2年連続のマイナス成長となったものの、実は冷蔵庫売り場には活気がある。

冷蔵庫の使用方法が大きく変化

 それには2つの理由がある。

 1つは、大容量の冷蔵庫の売れ行きが好調であるという点だ。

 同調査では、401リットル(L)以上の出荷台数を内数として公表しており、実績は前年比2.8%減の169万7000台と前年割れとなっているものの、JEMAではこれを補足する形で「まとめ買いや内食(家庭での食事機会)の増加により、501L 以上の大容量が好調である」とのコメントを発表している。

 また、21年12月には、冷蔵庫全体で30万6000台を出荷。前年同月比7.1%増となり、2カ月連続でのプラスとなっており、このなかでも、401L以上の大型冷蔵庫が前年同月比13.3%増となり、調査対象となる全家電商品のなかで、最も高い伸びをみせているのだ。

 大型冷蔵庫の販売が好調な背景には、おうち時間の増加により、ストックする食材が増加し、それに伴い大容量の冷蔵庫を購入する動きが加速していることがあげられる。

 ここでは、本体サイズは従来モデルと同じでも、薄壁化によって、庫内の容量をアップしていたり、ニーズが高まっている冷凍庫のスペースを広げたレイアウトが採用されたりしているほか、野菜や肉、魚などの鮮度を保ちながら維持できる機能の進化、アプリとの連携により食材の管理を容易にしたりといった機能が追加されているのが特徴だ。

 コロナ禍で増加したまとめ買いによって、冷蔵庫に保存する食材が増えても、フードロスにならないように保存期間を長く保てるようにしたり、使いやすさや追求したりといった工夫が行われている。

新たに広がる「2台目」需要

 もう1つは、150L以下の小型冷蔵庫が、業界が想定した以上に注目を集めている点だ。


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