これまで小型冷蔵庫は、進入学や単身赴任などにあわせた一人暮らしニーズに対応した家電として商品化されてきたが、季節要素が高いこと、需要が限定されることで、国内メーカーなどはあまり力を入れてこなかった。
だが、コロナ禍による内食の増加に対応するために、2台目の冷蔵庫として購入したり、増加する冷凍食品をストックするために、冷凍庫専用で利用したりといった用途での購入が増加。また、テレワークが増えたことで、仕事をする場所に設置して、手元でドリンクや食品を冷やし、その場から離れずに取り出して利用するといったように、これまで冷蔵庫が置かれていたキッチン以外の場所に設置するといったニーズも顕在化している。
大手量販店では、「セカンド冷蔵庫」の専用コーナーが設置されているほか、「マイ冷蔵庫」として利用しやすいように、高さの低いロータイプ設計、コンパクト設計のほか、部屋に馴染むシンプルなデザインを採用する商品も増えている。
実際、セカンド冷蔵庫のニーズを捉えた商品は、各社から相次いで発売されており、用途にあわせた機能進化を遂げている。
5年以上前から、小型冷蔵庫のラインアップの強化に力を注いできたハイアールジャパンセールスが、22年に入ってから相次いで発売した商品もセカンド冷蔵庫のニーズを捉えたものだ。
22年1月に発売した85L冷凍冷蔵庫「JR-N85D」と、40L冷蔵庫「JR-N40J」は、書斎でのテレワークや、自室でのリモート講義受講時などを想定し、2Lペットボトルを最大3本収納可能なポケットを搭載し、席を立たずにさっとドリンクなどを取り出すことができるようにしている。
「天面には、耐熱性能天板を採用しているため、電子レンジの設置も可能。テレワーク中に、冷凍食品をさっと温めて食事を済ませることができる。また、重たいものを載せてもたわまない庫内の強化ガラストレイにより、仕事の後に楽しむビールなどを、たくさんストックできる。限られた空間での一人時間の充実をサポートする」と同社担当者は語る。
また、22年2月に発売する280Lの冷凍庫「JF-NUF280BR」および「JF-NUF280B L」は、買い物カゴ8.4個分の冷凍食品が収納でき、前開き式冷凍庫では国内最大の収納力を実現するという。
同社では、「まとめ買いや作り置きなどにより、日頃から冷蔵庫の冷凍スペースがいっぱいになっている家庭をサポートする商品」と位置づける。まさにセカンド冷蔵庫としての用途だ。
マイナス24度(℃)~4℃までの6段階で温度を調整でき、4℃に設定すれば、 冷蔵スペースとしても活用でき、冷蔵用の食品をまとめ買いした際にも便利だ。また、一般的な冷蔵庫の冷凍室には、庫内灯がないケースが多いが、同商品では、白色LEDを使用して、庫内が見やすく、取り出しやすくしている。左開き、右開きという2つのタイプを用意しており、部屋のレイアウトによって選択できるのもうれしい。
インテリアに合わせて場所や置き方を変える
日立グローバルライフソリューションズが、クラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で、3月27日まで支援募集を行っている冷蔵庫「Chiiil(チール)」も、コロナ禍での新たにニーズに対応した商品だといえる。