作戦は午前4時前に終了し、特殊部隊は現場から撤退した。しかし、ヘリ1機に故障が発生、攻撃機によって破壊された。
現場に入った救助団体ホワイトヘルメットによると、「現場は血の海の状態だった」。バイデン大統領やハリス副大統領、クレイン大統領首席補佐官、サリバン国家安全保障担当補佐官らが作戦の一部始終を状況作戦室から見守った。
本当に「テロリストはもういない」のか?
国防総省では、オースティン国防長官、ミリー統合参謀本議長、中東を管轄するマッケンジー中央軍司令官らが状況作戦室と結んで、作戦を監督した。副大統領だったバイデン氏がかつてビンラディン氏の暗殺作戦に反対し、今回主導したことについて、パネッタ元国防長官は「大統領と副大統領は違う」と語った。
バグダディ氏の後を継いだクライシ氏はイスラムの預言者ムハンマドの血筋の「カリフ」を名乗りながら、一度も公に姿を現すことはなく、〝ゴースト〟と呼ばれた。バイデン大統領は「恐ろしいテロリストはもういない」と作戦の成果を誇示した。
だが、幽霊である限り死ぬことはない。中東で誕生したISという〟ゴースト〟は新しい指導者を得て、今後もしぶとく生き続けるのは間違いないだろう。