この結果、欧州主要国および日本などの諸国は、ロシアからの石油、天然ガス輸入代金支払いをすべてドル通貨に依存しているため、今回の新たなSWIFT制裁によって、ロシアへの代金支払いが事実上、ストップすることになる。
このため、ロシアとしては対応策として、中国ウォンでの国際決済を模索することになるが、混乱は避けられず、今後、ロシア財政を直撃することは間違いない。
また、ロシアの富裕階層や会社組織が今後、取引のための欧米通貨へのアクセスを絶たれることで、ロシア・ルーブルは大幅下落を招く。ルーブル下落によって輸入物価が急騰、ロシア市民が犠牲を強いられることになる。ルーブルはすでに25日時点で、「記録的低落」状態にある。
ロシアはどう耐えていくのか
一方、バイデン大統領は、SWIFT制裁に先立つ去る24日の会見で「これまで科してきたさまざまな対露制裁の効果が現れて来るには少し時間を要するだろう。1~2カ月後により具体的な効果を評価することになる」と語っていた。
しかし、今回〝金融の核爆弾〟使用に踏み切ったことで、その効果が表れるのも時間の問題となってきた。
この点について、米財務省外国資産管理部長の要職にあったチャーリー・スティール氏は「ロシアは今日、どっぷり世界経済に組み込まれている。今回の措置を受けて、米国の経済パワーの真骨頂ぶりがどれだけのものか、そして、ロシアがそれにどれだけ耐えられるかを注目していく必要がある」と論評している。
果たして、西側諸国のこの大胆な制裁措置に直面したのを受けて、プーチン大統領が次にどのような手を打ち出すことになるのか、極めて重大な局面を迎えている。