英BBCロシア語版(電子版)は2月22日付けでウクライナの核武装化の可能性についての記事を掲載した。その中で、ウクライナにはウラン鉱床があり、ソ連時代からミサイル開発が行われてきたことが紹介された。
そのうえで、ウクライナの専門家が「核兵器の開発について、理論的にはできる。しかし、実際には相当に難しい。ウクライナには核兵器を作ることができる人たちはいるが、ソ連時代より少なくなっている」との分析を伝えた。
ロシア世論にも「核武装脅威論」を喚起
ウクライナの核武装化への脅威論はロシアのラブロフ外相も言及した。
3月2日、中東カタールの衛星放送局アルジャジーラの独占インタビューに答え、「キエフを含むウクライナの軍事作戦はウクライナの武装解除を目的にしている。ロシアはウクライナに核兵器を入手することを許さない」と答えた。
ウクライナにはほかにも北西部リウネに4基、フメリニツキーに2基の原子力発電所がある。侵攻直後の2月25日、ロシア国営通信のセルゲイ・サブチュク記者が署名記事で「ウクライナは〝汚い放射能爆弾〟をほとんど制作しかかっていた」と伝えて、ロシア世論にウクライナ核武装脅威論を喚起している。
ロシア軍は今後、ウクライナ国内の発電所施設を含む全ての原子力産業施設を標的にする可能性がある。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は3月2日、ウクライナが核兵器取得を模索しているというロシアの主張を否定した。ウクライナの核プログラムはIAEAの監視下にあり、平和的利用に限られているという。
■編集部からのお詫びとお知らせ
本記事のタイトルは当初、「原発を狙う露軍の真の狙いはウクライナ核武装化の阻止」でしたが、誤解を招く表現があり、「原発狙う露軍の狙いはウクライナ核武装化阻止?」へと変更させていただきました。なお、タイトルは編集部によるものであり、著者のものではございません。読者の皆様に深くお詫び申し上げます。