2024年6月20日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2022年4月27日

オルバンとの共生はできない

 これまでオルバンに対抗する上で有効な手段を持たなかったEUにとって、コンディショナリティの仕組みは強力な武器に違いない。しかし、この仕組みを働かせるのは容易でないように思われる。

 「法の支配」の原則の違反を理由に財政的な制裁を課すにはEUの予算と復興基金の資金が詐欺、腐敗、あるいは利益相反の故に適正に使われないことを具体的に証明せねばならない。それは骨の折れる作業であるに違いない。手続きに時間もかかる。

 しかし、当面、手続きが継続中にハンガリーに復興基金からパンデミックからの復興支援のための資金が提供されることにはならない。それは痛手であろう。また、ウクライナ戦争へのハンガリーの対応は他のEU加盟国とは際立って違っており、仲間を失うリスクを冒している。殊に、ポーランドを失うことになれば、オルバンは孤立感を深めるであろう。

 オルバンが容易に白旗を上げるとは予想されない。しかし、この機会を逃せば、EUがオルバンに規律を強いる機会は彼の在任期間の今後4年の間ないであろう。新型コロナウイルスと違って、オルバンと共生する訳には行かないように思われる。

   
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